日本組織適合性学会誌
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総説
第1回 臓器移植とMHC
水谷 一夫
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2007 年 14 巻 1 号 p. 55-70

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抄録

主要組織適合遺伝子複合体(MHC)は臓器移植の発展と大きな関わりがあり, MHCの作用の解明や検査方法が発見されなければ臓器移植がこれほど一般的な医療となることはなかったと考えられる. MHCはヒトではHLAと呼ばれ, 免疫応答をつかさどる遺伝子座として定義される. 移植に関係するHLA遺伝子はクラスI, II遺伝子に大きく分類され, 現時点でもそのアリル数は増加し続け, その働きがすべて解明されたわけではないのが現状である. この多型性をもつHLAが臓器移植の拒絶反応を引き起こすためHLAの型を適合や抗HLA抗体を調べることは臓器移植にとって重要であり, 今後の更なる研究が期待される.

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© 2007 日本組織適合性学会
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