ミルクサイエンス
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原報
ホイップクリームの性状に関する研究
─第2報:糖および植物性クリーム添加の影響─
山口 和美石下 真人鮫島 邦彦
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2000 年 49 巻 3 号 p. 139-144

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抄録

 ホイップクリームは泡立て方や泡立て時間によって保形性が異なる。ホイップクリームの構造を明らかにすることを目的として, 乳脂肪クリームに糖を添加した場合と乳脂肪クリームに植物性クリームを配合した混合クリームを作成し, それらの微細構造や離水量および動的粘弾性を比較した。
その結果を要約すると以下のとおりである。
1) 顕微鏡像は, 泡立て前のクリームでは脂肪球が緻密で間隙のほとんどみられない状態であった。泡立て直後では大きな気泡および気泡の周りを脂肪球が連続して配置する様子が観察された。
2) ホイップクリームの離水量は乳脂肪クリームが植物性クリームよりも多く, 混合クリームでは植物性クリーム添加の割合が多くなるに従って減少した。
3) 糖添加クリームの動的粘弾性は安定性が低下することを示した。
4) 混合クリームの動的粘弾性では, 植物性クリーム添加の割合が多くなるに従って, 安定性が高くなった。

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© 2000 日本酪農科学会
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