ミルクサイエンス
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原著論文
ミルク成分によるカテキンの渋味抑制効果について
三浦 孝之阿久澤 良造
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2010 年 59 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

 ミルク成分によるカテキンの渋味抑制効果を採点法および 2 点試験法を用いて評価した。カテキン-ミルク成分混合試験区は6.26 mg/mL カテキン溶液に対し,全乳,9%スキムミルク,4.5%ラクトースあるいは3.8%クリームを等量ずつ混合して調製した。これらのうち,ラクトース以外の試験区で46-58%の渋味減少効果が認められた。次にカテキン-ミルク成分混合試験区において遊離カテキンの量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した。試験区はカテキンに対し 9%スキムミルク,4.5%ラクトースおよびホエイを混合し調製した。これら試験区を酸沈澱によって除たんぱくした後,得られた上清みに含まれる遊離カテキン量を測定した。スキムミルク混合試験区では遊離カテキンは約95%程度の減少を示したが,ラクトースおよびホエイ混合試験区では5-25%程度の減少であった。さらに,同モル濃度の各種カゼイン(α, β, κ)が遊離カテキン量へ及ぼす影響を調べたところ,βカゼインが最も遊離カテキン量を減少させた(約35%減少)。これらの結果はカテキンの渋味はミルク成分によって抑制されることを示している。

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© 2010 日本酪農科学会
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