ミルクサイエンス
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流動食MHN-02を用いた栄養管理がラット腸管組織構造に及ぼす影響
粂 久枝中村 健太郎岡﨑 惠子松浦 基山地 健人芦田 欣也
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2018 年 67 巻 1 号 p. 30-33

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抄録

 我々は先に小腸障害モデルにおいて,乳清ペプチド,発酵乳,イソマルチュロースを含有することを特徴とする濃厚流動食MHN-02が小腸の粘膜透過性亢進を抑え,腸間膜リンパ節や肝臓へのバクテリアルトランスロケーションを軽減することを報告した。そこで,MHN-02の摂取がラットの腸管組織構造に及ぼす影響について検討した。MHN-02を2週間摂取したラットの小腸組織では汎用流動食(コントロール食)を摂取したラットに比べ,絨毛が有意に長く,陰窩が深く,そして,陰窩中の分裂している細胞数が増加した。これら腸管組織の変化に加え,MHN-02を摂取した盲腸では,コントロール食に比べ, Bifidobacterium属とLactobacillus属の細菌数の増加が認められた。これらの結果より,MHN-02の摂取は腸管の絨毛の成長を促進し,腸内細菌叢を改善することが示唆された。

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© 2018 日本酪農科学会
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