ミルクサイエンス
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総説
発酵乳製品の摂取による認知症の予防
阿野 泰久中山 裕之
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2018 年 67 巻 2 号 p. 102-110

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抄録

 ヨーグルトやチーズなどの発酵乳製品は古来より人類に親しまれてきた食品であり,発酵乳製品に含まれるペプチドや脂肪酸,乳酸菌には数多くの生理機能が報告されている。近年の研究により発酵乳製品の摂取と認知機能改善に関する報告が増加している。疫学研究や臨床試験研究により乳製品の摂取による認知症の予防効果が報告され,非臨床試験でも乳の発酵過程で生じる成分に認知症の予防効果が報告されている。また,著者らは発酵乳製品から同定したオレアミドとデヒドロエルゴステロールに認知機能の改善に効果があることを見出した。本総説ではこうした発酵乳製品の認知機能改善に関する研究の現状と今後の展望に関して紹介する。

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© 2018 日本酪農科学会
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