ミルクサイエンス
Online ISSN : 2188-0700
Print ISSN : 1343-0289
ISSN-L : 1343-0289
原著論文
Bifidobacterium longum SBT2928および Lactobacillus gasseri  SBT2055におけるデオキシコール酸低減活性の  in vitro 評価
新井 利信關 敬弘瀬戸 泰幸
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 67 巻 2 号 p. 80-87

詳細
抄録

 二次胆汁酸の一種であるデオキシコール酸(DCA)濃度を低減させることは,DCA に起因する種々の疾患を予防し,健康寿命の延長や生活の質の改善に役立つものと考えられる。我々はプロバイオティクスとして実績のある Bifidobacterium longum SBT2928および Lactobacillus gasseri SBT2055の DCA 低減活性を in vitro において試験した。その結果,両菌株とも DCA の前駆体であるコール酸(CA)は殆ど低減しなかったのに対して,DCA に対して有意な低減活性を示した。また,その低減様式は両菌株で異なることが示唆された。B. longum SBT2928は DCA 低減活性に糖質を必要とし,0.65%ラクトースを添加した際には基質 1 mM DCA の50%を反応液中から除去することできた。また,ラクトースを用いた場合の DCA 低減量はその構成糖であるグルコースやガラクトースを使用した場合よりも多かった。我々は B. longum SBT2928による DCA 低減機構は糖質を駆動力とした細胞内への取り込みであると推察した。さらに, B. longum SBT2928の DCA 低減活性はラクトース濃度に応じて変化すること;オリゴ糖としてラフィノースとラクチュロースを使用した場合にも有意な DCA 低減活性を示すことが明らかとなった。一方で, L. gasseri SBT2055は糖質の有無に関わらず DCA を低減することが可能であり,基質 1 mM DCA の25%を反応液中から除去することできた。我々は L. gasseri SBT2055による DCA 低減機構は菌体表面への吸着であると推察した。さらに, L. gasseri SBT2055の DCA 低減活性は塩化リチウム処理では変化は認められなかったが,加熱処理によって消失することが明らかとなった。我々はこれら 2 つの菌株が DCA に起因する種々の疾患の予防に貢献するものと期待している。

著者関連情報
© 2018 日本酪農科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top