ラクトフェリン(LF)は、炭酸水素イオンの存在下において100分子以上の鉄イオンを保持し、複合体(FeLF)を形成した。本研究では、鉄含有量が異なるFeLFを用いて検討を行った。FeLFは、鉄イオンの保持量が増加するにしたがい、平均粒子径が大きくなること、また、TEMの観察から、100分子の鉄イオンを保持するFeLFは、扁平な楕円体であったことを報告した。また、70分子以上の鉄イオンを保持するFeLFの中性溶液においては、98℃で10分間の加熱によって濁度の上昇は認められず、食品素材としては十分な熱安定性を示していた。FeLFは、中性領域において食品としての十分な熱安定性を示し、食品用の鉄素材として有用であると考えられた。