酪農科学・食品の研究
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ケニア産発酵乳製品からの乳酸菌の分離と同定
中村 昇二荒木 美和宮本 拓片岡 啓M. J. Maina
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1996 年 45 巻 2 号 p. A-35-A-42

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抄録
 ケニアの発酵乳製品16品から発酵に寄与していると思われる乳酸菌を分離・同定し, 微生物学的見地から製品特性を調べた。同定試験に供したのは分離乳酸菌90株のうち44株である。結果は以下のとおりである。
1) 発酵乳8品のうち, 6品 (Lala Lite, Bio Yoghurt, Fresh Natural Yoghurt, Low Fat Yoghurt, Natural Yoghurt, Plain Yoghurt) には Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus または Streptococcus thermophilus が優勢に存在していた。特に, Plain Yoghurtのスターターにはこれら高温性乳酸菌の混合カルチャーが用いられていた。
2) Leuconostoc属の乳酸菌は, 発酵乳2品 (Lala Lite, Maziwa E'Lala) とチーズ 5品 (FETA, Cream Cheese, Dessert Fromage Frais, Highland Cottage Cheese, Quark) から分離された。
3) 発酵クリーム2品 (Cultured Cream (1), Cultured Cream (2)) には, Streptococcus thermophilus が優勢に存在していた。
4) Fresh Natural Yoghurt, Maziwa D'Lala, Cream Cheeseならびに Cultured Cream (1)からは Enterococcus属細菌も分離された。
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© 1996 日本酪農科学会
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