酪農科学・食品の研究
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原報
エジプトにおいて生産・製造された生乳, クリームおよびヨーグルトから分離したグラム陰性低温細菌の脂質分解性および蛋白分解性
アブド M アドハム大橋 登美男
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1996 年 45 巻 5 号 p. A-97-A-104

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抄録

 エジプトにおいて生産・製造された生乳, クリームおよびヨーグルトからしたグラム陰性低温細菌450個を分離し, スプリットブル─寒天培地および標準寒天培地を用いて同定し, 脂質分解性および蛋白分解性におよぼす温度および時間の影響について検討した。その結果, 6, 17および30℃において, 分離菌の脂質分解性および蛋白分解性は全分離菌の割合がほぼ同じであった。低温において蛋白分解性を示す分離菌はきわめて少なかった。このことは, 低温貯蔵が蛋白分解活性を抑制する有効な効果であることを示唆した。脂質分解活性は初期において産生されるようであり, 多数の分離菌は低温貯蔵の初期段階において脂質分解が始まることが明らかにされた。そのため, 脂質分解性グラム陰性低温細菌に十分な注意を必要とすることを認めた。

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© 1996 日本酪農科学会
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