抄録
直線加速器に搭載されたキロボルトcone beam computed tomography(CBCT)システムが線量計算に利用できれば,初期に計画された線量分布を参照しながら,治療日ごとの線量分布を確認できる.本論文ではマルチスライスCT画像と組み合わせたCBCT画像を用いた計算方法の有効性を評価した.提案手法によって計算された線量分布の精度を評価するため,ガンマ解析,distance-to-agreement解析とdose-volume-histogram解析を使用して,CBCT画像を用いた他の線量計算法と比較した.その結果,われわれの提案手法によって計算された線量分布は,他の方法を用いて計算した線量分布よりも初期の治療計画とよく一致した.加えて,われわれの方法は大変安定した手法であり,臨床的な条件の変化に対して影響を受けなかった.このことから提案手法が適応的放射線治療に対して有効であることを確認した.