2017 年 35 巻 2 号 p. 99-103
MRIは生理学的な現象を鋭敏に反映するコントラストメカニズムをもつため,豊かな画像コントラストを提供することができ,それゆえ広く臨床応用が展開されてきた.一方で,単一の物理量としては表現が難しい生理学的現象を,ファントムで擬似的に模すことは難しい場合も多い.そのため,MRI技術開発には,おのずとヒトを対象とする研究が開発段階から必要となり,医工連携なくしての開発はきわめて難しいといえる.本稿では,MRI開発における医工連携の重要性を述べ,いくつかの過去の医工連携の事例を紹介したい.また,現状の産官学連携の企業側からみた課題と,今後の期待についても議論したい.