2019 年 37 巻 1 号 p. 35-45
本論文では,畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network; CNN)の構造の違いによる,低計数PET 画像のノイズ除去効果を比較・検討した.CNNの構造として,RemezらのDenoiseNet(DN),U-Netにresidual learningを追加したネットワーク(UR-Net)を使用した.その結果,DNでは横断面を1スライスずつノイズ除去することにより,冠状面に筋状のアーチファクトが生じた.一方,隣接NスライスをNチャンネル画像としてノイズ除去するDN-Nchでは,上記アーチファクトが低減した.また,UR-Netや,UR-Netを2段に重ねたUR-Net×2では,DNに比べピーク信号対雑音比(peak signal to noise ratio; PSNR)が向上した.さらに,計数の間引き率の異なる画像を用いて訓練することにより,未知の雑音レベルに適応できるブラインドノイズ除去が可能であることが示された.