2019 年 37 巻 2 号 p. 95-106
心臓の特徴は,自ら能動的に変形運動をし,かつその変形運動自体が全身への血液の拍出という機能に直結していることである.したがって,心疾患の診断には形態と機能の双方の情報が必要である.医用画像工学分野においても,動き続ける対象から空間情報・時間情報・機能情報を安定的に取得する取り組みが続けられた結果,臨床においてマルチモダリティーによる形態と機能の包括評価がなされるようになってきた.本稿では,心臓を対象としたイメージング技術と解析技術とを概観した上で,臨床応用と将来展望について述べる.