2020 年 38 巻 3 号 p. 96-102
多元計算解剖学の研究では,病理画像を扱うことでスケール軸および機能軸に拡張したモデル化を検討した.本検討では,MRIやCTと結びついた細胞レベルの組織構造・組織の機能(がんの有無・悪性度)との関係を明らかにするため,①病理画像による三次元組織構造の解析,②ハイパースペクトルを用いた病理画像の高精度解析の検討を行った.その結果,前者では形態を用いた10組織の三次元構造を可視化することができ,また後者では高精度にがんの有無をHE画像から得られる方式を確立することができた.加えて,フィルターアレイ型の多バンドスペクトルカメラの最適化に関する基礎検討も行った.