Medical Imaging Technology
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特集 / JAMIT2022大会査読付き論文
病理画像のがんらしさと正常らしさを情報量で評価する情報密度法
金道 敏樹陸田 駿弥山田 壮亮
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2022 年 40 巻 5 号 p. 218-225

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抄録

近年,畳み込みネットワークなど人工知能を使った病理画像診断技術が盛んに研究され成果を上げる一方,その判断根拠を示すことが課題として浮かび上がっている.本研究では,逆に,判断根拠から積み上げる病理画像診断技術実現の可能性を提示する.われわれは,性質のわかっている画像特徴量のそれぞれが,「がんである」と「正常である」とを識別する上での情報量をどれほど持っているかに注目する.われわれが提案するカルバック・ライブラー情報量の第2項の符号を反転させて得られる識別情報量の大きさは,そのまま判断根拠の強さに対応する.したがって,病理画像の各小領域に含まれる画像特徴量がもつ情報量をすべて足し上げれば,その小領域のがんらしさ・正常らしさの判断根拠を定量化できる.情報密度法と名付けたこの可視化方法を人工知能病理診断の国際コンペCAMELYON16のデータに適用し,このアプローチの有望さを示す.

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© 2022 日本医用画像工学会
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