Medical Imaging Technology
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特集/生成AIの実践的探求にみる可能性と諸問題
生成AIとメンタルヘルスケア ―テキスト生成AIが有する可能性と課題―
山本 哲也金井 嘉宏
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2024 年 42 巻 3 号 p. 100-105

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抄録

生成AIはデータを生成する人工知能技術であり,メンタルヘルスケア領域への寄与に大きな期待が高まっている.本稿では,テキスト生成AIに焦点を当て,応用可能性を考察した.まず,テキスト生成AIによる対話エージェントは,利用者の抑うつや心理的苦痛の軽減が示されているなど,メンタルヘルス改善のための有効性が期待される一方で,効果の実証にはさらなる知見の蓄積が必要である.また,ヘルスケアサービスの提供者においては,研究論文の執筆や,対話の自動要約,診断への貢献に加え,利用者に合わせた効果的なサポートの提供や,介入ツールの最適化など,多くの側面に役立てられる可能性がある.一方,データのバイアスやプライバシー,正確性,倫理的な問題などの課題が残っているのが現状である.今後は生成AIの展開を注視し,よりよいメンタルヘルスケアの実現に向けて,最適な活用方法を検討することが重要であると考えられる.

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© 2024 日本医用画像工学会
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