Medical Imaging Technology
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特集/生成AIの実践的探求にみる可能性と諸問題
生成AIチャットアプリ“Aivis”の開発―多人数による生成空間の共有―
南谷 奉良
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2024 年 42 巻 3 号 p. 87-93

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抄録

本稿では,筆者とシステムエンジニアの佐次田哲と共同開発した教育用匿名チャットアプリ“Outis”および生成AI 機能を加えた“Aivis”の開発経緯と具体的な運用事例を,英語教育と文学研究の方面から紹介する.生成AI を学問・教育現場で用いる場合,リテラシーの涵養やガイドラインの整備がまず必要になるが,その技術開発が驚異的な速度で進んでいるために,プラットフォームが安定せず,フリーミアム・モデル(freemium model)によって教育的機会格差を生む懸念がある.また,個人アカウントで生成されたテキスト・画像・動画が共有されにくく,デジタル廃棄物として使い捨てにされる現状がある.Aivis は,多人数による生成物を共有・吟味する空間を用意することで,上記の問題を一部解消する技術的ソリューションとなるばかりか,第二言語習得における訂正フィードバックを容易にしたり,文学作品の解釈可能性を広げる活用法を提供できると考えられる.

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© 2024 日本医用画像工学会
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