Medical Imaging Technology
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特集/医用画像解析における説明可能AI
細胞の種別構成比に基づく定量基準による濾胞性リンパ腫の説明可能な悪性度評価
古賀 諒一横田 達也三好 寛明橋本 典明竹内 一郎本谷 秀堅
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2025 年 43 巻 4 号 p. 110-115

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抄録

本稿では,診断根拠が説明可能な濾胞性リンパ腫の悪性度評価に向けて,細胞の種別構成比を指標とする悪性度の定量評価基準を提案した研究について解説する.悪性リンパ腫の主要サブタイプの1つである濾胞性リンパ腫では,centroblastとよばれる細胞の個数と,centrocyteとよばれる細胞の有無により4段階の悪性度が定められている.しかし実際の病理診断では,組織スライド中に存在する膨大な数の細胞それぞれが識別されることなく,悪性度は定性的に評価される.悪性度の定量基準獲得に向けては細胞の種別識別器の構築が必要となるが,細胞の種別を示す教師ラベルの付与は専門医にも容易ではない.そこで,曖昧さ情報を含む弱ラベルを活用し,補ラベル学習を応用した種別識別器の構築法を提案する.そして,識別器を組織スライド中の濾胞内の細胞すべてに適用することで,centroblastとcentrocyteの数や空間的分布を把握し,悪性度の定量評価基準構築に適切な指標を検討した結果を報告する.

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© 日本医用画像工学会
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