2025 年 43 巻 4 号 p. 116-121
病理分野におけるデジタル画像はwhole slide image(WSI)とよばれる巨大な画像となる.計算機でWSIをそのまま扱うことは困難であることから,病理画像を用いた機械学習では一部の小領域を切り出したパッチ画像を入力とすることが一般的である.一方で,病理医によるアノテーションコストはきわめて高く,各パッチ画像に対して正確なクラスラベルを付与することは困難である.そのためデジタル病理ではWSIに対してクラスラベルが与えられる弱教師あり学習の問題設定が一般的であり,マルチインスタンス学習(multiple instance learning, MIL)が有効であることが知られている.代表的なモデルとしてアテンションベースMIL(attention-based MIL, ABMIL)が利用されており,モデル内で計算されるアテンションは標本中のどこに注目したかを示す指標となる.アテンションの利用はデジタル病理における説明可能AIの一手法であり,本稿ではABMILの概要および説明可能AIへのアテンションの応用について解説する.