マテリアルライフ学会誌
Online ISSN : 2185-7016
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ISSN-L : 1346-0633
21 巻 , 1 号
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解説
報文
  • 香西 博明, 松坂 友介, 亀田 純一
    2009 年 21 巻 1 号 p. 20-25
    発行日: 2009/02/28
    公開日: 2021/05/08
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    溶液系におけるジエン系ポリマーの光分解におよぼすニトロ化合物の影響について検討を行った.増感剤には1-ニトロナフタレンと1,5-ジニトロナフタレンを,また比較としてニトロ基を持たないナフタレンを用い水銀ランプによって紫外線照射を行った.反応は,ニトロ増感剤を添加することにより容易に進行し,IRは短時間で分子量3,700程度の劣化生成物となり種々の有機溶媒に可溶となった.また機器分析による反応生成物の構造解析から,ヒドロキシル基やカルボニル基の生成を新たに確認した.このことから,分解は自動酸化反応によって進行していると考えられる.

  • 亀田 純一, 香西 博明
    2009 年 21 巻 1 号 p. 26-32
    発行日: 2009/02/28
    公開日: 2021/05/08
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    加硫ゴムの光分解について検討を行った.細断した加硫ゴムは,溶媒中に浸漬させ増感剤を添加し紫外線照射を行うことで分解し,低分子量化することが明らかとなった.cis-1,4-ポリイソプレンおよび天然ゴムの加硫物は紫外線照射後,分子量1,000~3,000程度の劣化生成物となった.多芳香環であるアントラキノンを添加したときの効果が特に高かった.経時変化の観察から紫外線照射時間は72時間程度で十分であることがわかった.スチレン-ブタジエン共重合体の加硫ゴムは低分子量化するものの,cis-1,4-ポリイソプレン,天然ゴムと比較して顕著な光分解を示さなかった.劣化生成物は溶解性が著しく向上し,種々の有機溶媒に可溶となった.FT-IRおよび1H-NMRによる劣化生成物の構造解析を行った結果,新たにヒドロキシル基やカルボニル基の生成を確認した.機器分析の結果から,加硫ゴムの分解の反応機構は自動酸化反応によるものと推察した.

  • 宮原 康弘, 水野 孝志郎, 石川 朝之, 武田 邦彦
    2009 年 21 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 2009/02/28
    公開日: 2021/05/08
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    油団(ゆとん)は日本の伝統的製品であり,夏場に座敷に敷き詰めると真夏の暑い時期でもその部屋の中にいる大人や子供は快適な時間を過ごすことができるため,上品で高級な夏の敷物として使われてきた.本論文はこの伝統的製品をSEM,熱伝導測定,赤外線サーモグラフィーなどの現代の機器分析器を用いて解析した結果を示したものである.油団は日本の紙(和紙)を積み重ねて作られ,表面は密で滑らかであるが,下部は粗く,繊維が絡み合っている構造を採っている.熱伝導率は0.11W・m−1・K−1であり,アルミニウム,ガラス,アクリル樹脂の板よりも低かった.これは油団が紙でできていて典型的な保温材構造をとっていることから理解できる.しかし,人間の手を赤外線サーモグラフの上において種々の物質の熱散逸速度を測定すると,油団の熱散逸速度はアルミニウム板よりは小さいものの,ガラスやアクリル樹脂より大きい結果を得た.これは,手の脂と水が油団の滑らかな表面から内部に移動し,そこで絡み合った細い繊維の表面から蒸発することによって熱を奪っているためと考えられる.

  • 宮崎 健輔, 守屋 杏輔, 岡崎 文保, 寺野 稔, 中谷 久之
    2009 年 21 巻 1 号 p. 40-47
    発行日: 2009/02/28
    公開日: 2021/05/08
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    本研究では,ポリプロピレン(PP)/セルロース(FC)系のウッドプラスチックに対し,分散剤として熱酸化劣化ポリプロピレン(DgPP)を使用した.今回使用したDgPPとしては,130℃で18時間劣化のものを作製して使用した.DgPPは,カルボキシル基やγ-ラクトンといったFC表面を修飾し得る官能基を持っていることが1H-NMR測定によって確認された.また,PP/FC系ウッドプラスチックにDgPPを添加することで透明性が上昇した.これはDgPP中のカルボン酸やγ-ラクトンといった部分とFC表面の水酸基部分とがエステル結合を形成し,グラフト化による修飾をすることに起因している.走査型電子顕微鏡(SEM)による観察では,DgPPがFC表面を覆っており,FC界面の改質に成功したことを示した.また,力学的性質においては,DgPPの1wt%添加時に,引張強度およびヤング率において改善が見られた.これらの結果より,DgPPは効果的な分散剤であることが証明された.

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