2016 年 28 巻 2 号 p. 29-35
高分子の劣化機構解析には主として劣化残渣を利用した分析が主流である.しかし,高分子の劣化反応には揮発する成分も多く含まれており,残渣の分析だけでは反応機構を完全に解明するには不十分な場合も存在する.本論文ではマイクロUV照射装置を用いたμ-UV/Py-GC/MSによるAC-2235のUV劣化機構について解析した.AC-2235はPMMAとPBAのコポリマーである.μ-UV/Py-GC/MSにより検出された成分から,PMMAとPBAのどちらかでは無く,両方の成分が紫外線により分解されていることを明らかにした.