生分解性プラスチックの分解速度はその構造とそれが置かれた微生物環境によって決まるが, 後者を制御することは微生物の多様性から困難であるとされている. しかしながら, プラスチックを含む有機廃棄物処理の観点から見ると使用後は速やかに分解する微生物環境を人為的に管理する必要性がある. そこで本研究では, 従来から有機農法において用いられている, 安定な循環サイクルを有する有用微生物 (EM) 群を生分解性プラスチック (L-ポリ乳酸) の置かれた有機廃棄物中に添加してその分解促進効果について調べた. その結果, 36℃でEM菌群をコンポスト中に添加した場合にL-ポリ乳酸の分解が約40%促進されることがわかった. また, コンポスト中での分解は非晶相から進行するが50℃でEM菌群を添加した場合には, 結晶相でも速やかな分解が起こることが明らかになった.