エクステリア木材用に開発された5種類の木材保護着色塗料により木製サッシを塗装し, その耐候性評価および屋外暴露における塗装木材の挙動を, 重量・寸法変化, 色差変化などにより検討した. 保護塗料には, 木材中に浸透し塗膜を造らない含浸型塗料と, 薄い塗膜を造る半造膜型塗料を用いた. 含浸型塗料は, 無塗装材に比べて重量変化で約20%, 寸法変化で約35%, また半造膜型塗料では重量変化で50から60%, 寸法変化で約55%の抑制効果が認められた. 木製サッシの寸法変化では, 縦使いした部材の木口面付近の寸法変化が大きく, 塗装により1/2程度に低下し他の部位との差が縮小した. サッシの部位別の色差変化では, 水平面の変色が著しいことが観察された. また, 縦桟よりも横桟の方が変色が大きく, これも塗装により部位間の差が縮小した. 以上の結果から次の結論を得た. 1) 木製サッシでは縦使いした木材の木口面処理と横使いした木材の水平面の処理が重要である. 2) 含浸型塗料の性能は半造膜型塗料より劣るが, 劣化の進行が遅いため表面の美観の急激な低下はない. 3) 半造膜型は塗膜の劣化と共に急激な性能および美観の低下が認められる. 4) 保護塗料の塗り替え時期は, 含浸型, 半造膜型共に2年程度と考えられる.