マテリアルライフ学会誌
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ポリエチレンとシリコンのメカニカルミリングとその反応に及ぼすカーボンの影響
石田 恒雄
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2001 年 13 巻 2 号 p. 84-92

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抄録
PEとSiとを配合比を変えてメカニカルミリング (MM) 処理し, また, PEとSiに活性炭素を添加してMM処理を行った.得られたMM粉末を光顕・電顕観察, X線回折, DSC測定, 電気抵抗測定し, MM過程, MM粉末の構造変化, 熱的変化, そして電気抵抗を検討した.PEとSiのMM処理で, 圧延と折畳の繰り返しで微細分散・混合化が達成され, 微細SiがPE中に分散される。また, PEはMMにより完全なアモルファス化を達成し, その強固な結合のPE分子鎖のため, 加熱してもアモルファス状態を維持する.PEとSiに活性炭素を添加した場合では, 微細混合化達成時間が短縮される.活性炭素の添加の場合, ミリング時間と共に非晶質PEの分解開始温度は増加し, 一方, 長時間のミリングではPEの融点が現れにくくなってきている.このことはPE, Si, Cは互いに固溶し始めていることを示し, ハイブリッド的な新物質の合成の可能性を持っている.また, Si, C含有のアモルファスPEは, 加熱によってもアモルファス状態を保持する.
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