抄録
30年の使用寿命が期待される結晶系太陽電池モジュール約2, 000枚の10年間稼動後の状態を調査し, 経年変化の実情を分析した. 全試料の外観を検査し, さらに試料の一部, 145枚のモジュールの特性を測定した. 10年間稼動前後のモジュール特性の変化を分析し, 平均約5%弱出力が低下していること, その低下は主に3種類の劣化すなわち (1) 剥離モード, (2) FFモードおよび (3) I・Vモードの劣化に基づくことを明らかにした, (1) はSiセルと充填材が剥離する現象で, (2) はSiセルとセルから電流を取り出す金属電極間の電気的結合が劣化し, 直列抵抗が増加する現象である. (3) はpn接合部の短絡のような現象と推定される.