抄録
神経障害に対するリハビリテーションにおいて,理学療法は重要な役割を担っているはずだが,各種ガイドラインで根拠のある高い評価を得ることはできていない。したがって,理学療法士には,神経障害に対する有効な理学療法を模索し,標準的な評価方法や治療を開発するための活動が一層求められる。そして,最新のエビデンスを求めるだけではなく,それらの臨床応用と検証を行っていく必要がある。日本理学療法士協会内に設立された「神経理学療法学会」では,これらの問題に対して,基礎・臨床研究を推進し,エビデンスに基づく理学療法の開発と普及等を図るべく活動を行っている。我々は,これらの活動に積極的に参加し,自己啓発に努めなければならない。神経理学療法の発展には,標準的な知識と技術の構築は欠かすことができない。組織のみならず,個々の理学療法士の成長が求められる。