理学療法にかぎらず,医療行為は治療者と患者が目的を同じくして取り組む共同行為の側面を持ち合わせる。すなわち,患者の立場からすれば,治療者との相互関係のもとに治療が進むのであり,そのなかで目的を同じくする過程を経て,相互行為から共同行為へと深まるのである。社会での参加を促すために支援を行う理学療法士の役割を,社会的相互行為の観点から見直すことは理学療法の質を考えるうえで重要である。互いの行為の目的を擦り合わせ,共同意図のもとに治療を実施することは,その効果を高めることにつながると考えている。本論では社会的行為,さらには共同行為の視点から理学療法を捉えなおし,理学療法の本質的役割と共同行為自体の効果について議論する。