2025 年 36 巻 1 号 p. 3-11
糖尿病患者に対する理学療法の実施は,まず患者の病態把握から始まる。2 型糖尿病においては,インスリン分泌低下が主体なのか,それともインスリン抵抗性であるのかを確認し,運動療法に期待する効果を明らかにしておく必要がある。そして血糖変動の状況に加え,理学療法士として可能な身体機能の評価を行うべきである。運動療法は「運動」と「生活活動」を踏まえて立案し,座位時間の短縮に向けたアプローチも重要である。糖尿病合併症を有する症例では運動療法によって合併症の増悪をきたす可能性もあり,他のリスクも合わせて運動の種類や強度を決定する。今回,症例紹介を含め,理学療法士が行うべき糖尿病に対する理学療法評価・治療方法について解説する。