春から夏にかけての時期、舘野上空500mb付近の高度にオゾン濃度が大きく、湿度の小さい (相対湿度20%以下) の薄い層がしばしば見られる。この層の空気の輸送を等温位面上の軌跡を求めることにより解析した。
この薄い層はジェット気流に伴う前面の一部であり、成層圏が源であることが分った。成層圏から対流圏への流入は高層の低気圧と関連しており、その低気圧の後面で起る。下降運動は、低気圧の南側で、ジェット気流の軸の下方を横切るときに最も強くなる。また成層圏下部から対流圏中部まで下降するのに約1日を要し、下降速度は最高17cm/secに達する。