抄録
気象研究所設置プールにおいて、熱電対で水面上10cmの高さから水面下6cmの深さに至る水温を測定し、同時に放射計 (7.5~11.5μm) で表皮水温を測定し、それらの相関を求めた。また色々な気象状況で、天頂角を30度から80度まで放射計でスキャンして表皮水温を測定した。実測表皮水温を風によって生じる水面の射出率の方向特性を基に求めた表皮水温と比べると、天頂角が大きい所ではそのずれが大きく、このずれは環境条件、特に雲の分布に依存している事がわかった。また表皮水温は水面下の水の温度と異なるため、衛星で測定する海水の放射温度の評価には、船による海水の放射温度との比較が必要である。