抄録
静止気象衛星 (GMS) は分解能に制約があるものの、可視、赤外センサーによる画像を30分~4時間毎に1日14回入手できるので比較的大規模な火山噴火をモニタリングする上で有利である。GMSで検出された1981年4月~5月の千島列島Alaid火山、マリアナ諸島Pagan火山の噴火による噴煙を解析し、噴煙画像により噴火活動の推移を把握し、噴火規模を推測することがある程度可能であることを示した。GMSで検出し得る噴煙の範囲は到達高度数km、その広がりが20km前後であるが、周辺の雲の状況により大きく左右される。
噴煙上面のTBB温度と、火山付近の高層気象観測資料とから噴煙の到達高度を求めると、Alaid火山では最高11.7kmまで上昇しわずかに圏画面を越えた。Pagan火山では最高16.5kmまで上昇したが圏界面を越えていない。噴煙主要部の移動速度は周辺風速より4~6m/s早く、水平拡散係数は109~1010cm2/sと求められた。噴火活動全体の噴煙による熱放出量は両火山とも1022ergのオーダーであり、Alaid火山の場合がやや大きい。
雲と噴煙との判別は著しく困難で、ハードウエア、ソフトウエアを含めた手法の開発が待たれる。また、広域に拡散した噴煙の画像にもとずく熱放出量等の推測は、現段階ではかなりの誤差が含まれることを考慮する必要がある。