日本心臓血管外科学会雑誌
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[成人心臓]
卵円孔開存により疣腫塞栓を生じた三尖弁位感染性心内膜炎の1例
田中 陽介溝口 和博谷村 信宏脇山 英丘安宅 啓二
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2016 年 45 巻 3 号 p. 131-134

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抄録
卵円孔開存を伴う三尖弁位感染性心内膜炎で,疣腫散布により多発梗塞,多発膿瘍を合併した症例を経験した.症例は28歳,女性.熱発および全身の関節痛を主訴に救急外来を受診した.CT,MRI検査にて脳梗塞,多発肺膿瘍,化膿性脊椎炎,腓腹筋膿瘍を認めた.心エコー検査では三尖弁に25 mm大の疣腫の付着と同弁の逆流を認め,感染性心内膜炎と診断され,同時に卵円孔開存の存在が判明した.血液培養ではメチシリン感受性ブドウ球菌(MSSA)が確認された.約5週間の抗生剤による保存的加療を行った後,疣腫除去術,Kay法による三尖弁形成術および卵円孔閉鎖術を施行した.術後は7週間の抗生剤投与を施行し,軽快退院となった.以後,感染性心内膜炎,多発梗塞の再燃を認めていない.三尖弁位感染性心内膜炎において,疣腫散布による左心系への合併症を併発した場合,卵円孔開存の存在を念頭に置くとともに,適切に手術時期を判断し対処することが肝要である.
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