Papers in Meteorology and Geophysics
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原著論文
ライダー後方散乱信号に与えるミスアライメントの影響
内野 修田端 功甲斐 憲次
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1987 年 38 巻 4 号 p. 237-246

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抄録
 ライダーの基本的な問題の1つとしてレーザー送信部と受信望遠鏡との光軸合わせがある。ここでは、光軸合わせに便利なライダー後方散乱信号を、よく使用されているルビーレーザー、ヤグレーザーのそれぞれの基本波、高調波に対し、エーロゾル・オゾンを含めた大気モデルを用いて計算している。
 次に光軸合わせにミスアライメントがあった場合、後方散乱信号はどうなるか、また成層圏エーロゾル観測にどのような影響を及ぼすかを調べている。ライダーのレーザー送信部と受信望遠鏡の光軸が完全なアライメントから、互いに外向きにはずれた場合は、高度10~30km間で、上向きに大きくなるような見かけ上の後方散乱比RB′が、例えエーロゾルが存在しなくとも現れ、互いに光軸が交差した時には下向きに大きくなるようなRB′が観測されることになる。このような場合のRB′を補正する1方法について述べているが、言うまでもなく、このようなミスアライメントが起こらないようにライダーシステム設計することが重要である。
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© 1987 気象庁気象研究所
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