抄録
ユタ大学過冷却雲風洞を用いて、水未飽和、氷飽和以上で氷晶の成長実験を行った。気温領域は−10°Cから−20°Cまでとし、氷晶の成長に伴う諸量の時間変化を測定した。実験を開始する前に、氷晶を安定して浮遊させるための風洞の改良を行い、風洞内に現れる気流の乱れと渦を防いだ。この実験条件で成長した氷晶は、板状および角柱であり、樹枝状の結晶はできなかった。30分間成長させると、最大で質量が約10−5g、落下速度が50cm/s程度の氷晶が得られた。氷晶の質量、最大径、落下速度の関係は、それぞれ、m(g)=1.7×10−3d(cm)1.9およびv(cm/s)=4.8×103m(g)0.38となった。これらの結果は、降水物理学や降水制御の分野で有効に利用されるものと考えられる。