Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
Print ISSN : 0031-126X
ISSN-L : 0031-126X
原著論文
楕円形モドンに就いての一考察
金久 博忠
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 43 巻 2 号 p. 41-48

詳細
抄録
 大気ブロッキング現象のモデルの一つと考えられているモドンは、渦位保存式の定常 (或は並進) 孤立波動解であり、渦位Qは流線関数Ψの関数となるが、解析的には数学的取り扱い易さの為にモドン境界が円形でありQΨの線形関数である場合が考えられている。円形以外の境界を持つモドンに就いては、いくつかの数値的研究が為されているが、BoydとMa (1990) は、ƒ平面上で基本流方向に長軸を持つ楕円境界のモドンに対してQ=F (Ψ) の関数形を数値的に計算した。此処では、円形と僅かに異なる楕円境界を持つモドンに対してQ=F (Ψ) の関数形を解析的に計算して、長軸が基本流方向の場合には上に述べた数値計算と定性的に一致する結果を得た。基本流に対して垂直方向に長軸を持つ楕円形モドンに対するQ=F (Ψ) の関数形は、基本流方向に長軸を持つ楕円形モドンに対するものとは定性的に異なる事が分かった。
著者関連情報
© 1992 気象庁気象研究所
次の記事
feedback
Top