Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
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43 巻, 2 号
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原著論文
  • 金久 博忠
    1992 年43 巻2 号 p. 41-48
    発行日: 1992年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     大気ブロッキング現象のモデルの一つと考えられているモドンは、渦位保存式の定常 (或は並進) 孤立波動解であり、渦位Qは流線関数Ψの関数となるが、解析的には数学的取り扱い易さの為にモドン境界が円形でありQΨの線形関数である場合が考えられている。円形以外の境界を持つモドンに就いては、いくつかの数値的研究が為されているが、BoydとMa (1990) は、ƒ平面上で基本流方向に長軸を持つ楕円境界のモドンに対してQ=F (Ψ) の関数形を数値的に計算した。此処では、円形と僅かに異なる楕円境界を持つモドンに対してQ=F (Ψ) の関数形を解析的に計算して、長軸が基本流方向の場合には上に述べた数値計算と定性的に一致する結果を得た。基本流に対して垂直方向に長軸を持つ楕円形モドンに対するQ=F (Ψ) の関数形は、基本流方向に長軸を持つ楕円形モドンに対するものとは定性的に異なる事が分かった。
  • 高山 寛美
    1992 年43 巻2 号 p. 49-59
    発行日: 1992年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     NTT (日本電信電話株式会社) の通信施設を利用して観測している長基線地電位データと柿岡地磁気観測所の地磁気データにMT法を適用した。大規模な磁気嵐発生時のデータを用いて数分から1920分までの信頼できるインピーダンステンソルが得られた。電場の各成分と磁場の両成分のマルチプルコヒーレンシーは高く、磁場の両成分同士のコヒーレンシーは低い。Skewnessがあまり高くないので2次元構造を仮定し、インピーダンステンソルから得られる主軸方向に座標変換を行った。H-およびE-polarizationについて座標変換されたデータから得られる見かけ比抵抗には約100倍の違いがみられる。
  • 山岬 正紀
    1992 年43 巻2 号 p. 61-77
    発行日: 1992年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     雨水や雲水を予報変数に含む多重 (3重) 格子モデルを用いて台風の移動の数値実験を行った。対流のパラメタリゼーションやモデルの主な部分は山岬 (1986, 1987) と同じであるが、ここでは緯度経度座標を用い、また海陸分布や地形を考慮している。粗格子域は南緯30度より北を格子間隔15/4度でおおい、中間格子域は5/4度、細格子域は5/12度を用いている。
     数値実験では台風特別実験 (スペクトラム) が行われた1990年8月と9月の台風のうち8個の台風をとり扱った。初期条件は気象庁の全球客観解析データを用いた。数値実験は約20例行ったが、台風の移動の予測としては概して良好な結果が得られている。予測誤差の主な原因としては、亜熱帯高気圧の振舞いをうまく予測できなかった場合が多く、また初期条件として与えた風の場や条件付不安定度の分布に関係していると考えられる場合も多かった。
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