Papers in Meteorology and Geophysics
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原著論文
1989年伊豆半島東方沖群発地震活動の最大地震 (M5.5) の震源と噴火地点 (手石海丘) との相対的位置について
勝間田 明男
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1993 年 44 巻 2 号 p. 57-71

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抄録
 伊豆半島の伊東市川奈崎沖では、1978年から群発地震活動が年1~2回程度の回数で活発化、沈静化を繰り返してきた。伊豆半島北東部を中心に1978年秋から異常隆起が始まり、ほぼ一様な隆起を継続してきた。1989年にも6月30日に群発地震活動が始まった。このときの地震活動は、それ以前の活動に比べても活動的なものであった。群発地震活動は7月4日にピークをむかえたが、そのピークを過ぎた7月11日に、1978年からの活動において初めて連続微動が観測され、7月13日には海底噴火が起きた。1989年6~7月の群発地震活動において最大の地震は1989年7月9日に起きたM5.5の地震である。この地震は噴火口である手石海丘に隣接して発生した地震である。群発地震活動はマグマの貫入によると考えられており、そのマグマの貫入がその周辺の応力場に影響を与えていたと推定される。7月9日の最大地震もそのような場において発生しており、火山活動地域における地震発生の場について検討する上でも重要と考え、この地震の破壊開始点について調べた。用いたデータは、気象庁87型電磁式強震計の記録及び周辺の高感度地震計により観測された波形記録である。P波の到着時刻、破壊開始点の位置と地震波形との関係、初動の振動方向等から破壊開始点の位置について検討した。その結果最大地震の震央は噴火地点から西側の離れた場所にあり、また、破壊は断層下部から始まったと推定した。
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© 1993 気象庁気象研究所
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