Hoskins
et al. (1978) は準地衡風系で非地衡風循環を考察し地衡風平衡が地衡風自身によって破壊される傾向性を
Qベクトルと名付けた。此の破壊的傾向性にも関わらず準地衡風的である為には
Qベクトルによって非地衡風循環が惹起される事を示した。此の
Qベクトル方程式は準地衡風系で導かれたにも関わらず前線循環の診断に有効である事が謎であった。Davies-Jones (1991) はprimitive系で非地衡風循環を考察し準地衡風近似よりも弱い近似の下に
Qベクトル方程式と同様の非地衡風循環方程式を導いた。即ち
Qベクトル方程式を導くのに準地衡風近似と言う強い近似は必要ない事を示した。
Qベクトルは水平ベクトルであるがXu (1992) は準地衡風系で
Qベクトルを3次元に拡張しそれを
Cベクトルと名付けた。此処ではDavies-Jones (1991) の弱い近似を3次元に一般化してSemigeostrophic系及びPrimitive系でのCベクトル方程式を導く。
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