Papers in Meteorology and Geophysics
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気象研究所20 km・60 km格子版全球大気大循環モデルを用いた地球温暖化時における中央アメリカとカリブ海での水文気候変化
仲江川 敏之鬼頭 昭雄楠 昌司村上 博之荒川 理
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2014 年 65 巻 p. 15-33

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抄録
   中央アメリカおよびカリブ海地域は時空間的に複雑な気候を示しているにも関わらず、これまで高解像度モデルによる、将来予測が殆ど行われてこなかった。20 kmメッシュと60 kmメッシュ全球大気大循環モデルを用いて、中央アメリカおよびカリブ海での今世紀末の水文気候予測を行い、予測の不確実性を定量化した。この二つの水平解像度は、地域気候モデルを利用する際の粗い水平解像度と同等である。両解像度モデル共に、観測季節降水パターンを良く再現することができた。今世紀の終わりまでに、全ての季節、殆どの対象地域で、降水量は減少すると予測された。陸域での蒸発は、一般的に乾季に減少し、雨季に増加すると予測された一方、海洋での蒸発は、熱帯収束帯を除いて、年間を通じて増加すると予測された。従って、表層土壌水分と表面流出は、全ての季節、殆どの陸域で、両解像度のモデルによって、減少すると予測された。今世紀末では、年河川流量が減少すると予測されているが、それは降水量の減少と蒸発の増加に起因している。広い範囲で陸域平均した水文気象変数は、気節平均、月平均共に、統計的に有意な将来変化が見られた。これとは対照的に、個々の国の領域平均では、年平均値でも、その変化は有意でなく、非常に不確実であった。
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© 2014 気象庁気象研究所
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