日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
マスタケ培養菌糸体の生産する香気成分の分析
福田 祥子藤田 眞一井上 八壽子松井 徳光大杉 匡弘
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2006 年 14 巻 1 号 p. 29-34

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抄録
アルコール発酵能を有する担子菌マスタケの生成するフレーバー成分について研究を行った.基本培地は2%モルト液体培地を用いた.マスタケの菌糸体を培養すると,桃に似たフレーバーが生成された.香気成分を培養液液から水蒸気蒸留法,有機溶媒抽出法により抽出し,それらの香気成分をガスクロマトグラフおよびガスクロマトグラフ質量分析計で分析した.その結果,マスタケの菌糸体培養によって新たに生成するマスタケ由来の香気成分として,20成分を同定した.4つの主要成分はγ-decalactone,γ-octalactone,未同定物質B(m/z:41, 55, 111, 132)およびγ-dodecen-6-lactoneで,それぞれの含量は46.33%,7.58%,4.08%および1.98%であった.
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2006 日本きのこ学会
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