日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 浜名 康栄
    2024 年 32 巻 01 号 p. 7-18
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2025/04/30
    ジャーナル フリー
    真菌の分類の解説に続いて,きのこ,カビ,糸状菌,酵母,微胞子虫の網羅的ポリアミン分析 - その2では,真菌の計547種(きのこ453種,カビ20種,糸状菌31種,酵母42種,微胞子虫1種)のポリアミン構成をカタログ化し,その多様性と類似性と同一性を考察した.きのこにおける菌糸体からの子実体形成ヘの分化,酵母の形態と分子系統分類と進化,糸状菌とカビの差異と類似性へのポリアミンの寄与を検討.これらのポリアミン分析により,有用食材としてのきのこと,カビ,糸状菌,酵母による発酵食品を栄養学的にクローズアップさせる.
  • 岩本 和子
    2024 年 32 巻 01 号 p. 17-21
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2025/04/30
    ジャーナル フリー
    本研究において,市販きのこに含まれるGABA含量がGABAを豊富に含むとされているその他の食品と比較して,同等,もしくはそれ以上含むことが明らかになった.また,一部のきのこにおいて,生産業者, 産地の違いによって含量の差が見られることが明らかになった.マイタケおよびシイタケ子実体を用いてGABA生成に関与する酵素を精製し,その酵素化学的諸性質について調べたところ,マイタケ由来精製酵素はこれまでに報告のあるGADと同様に L-グルタミン酸のみに作用する酵素であったが,シイタケ由来精製酵素はL-グルタミン酸以外にも作用するユニークな酵素であることが明らかになった.
  • 本間 裕人
    2024 年 32 巻 01 号 p. 22-30
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2025/04/30
    ジャーナル フリー
    きのこ類で発酵・熟成させた糸状菌熟成チーズの製造を目的として,不織布にきのこ類を生育させた菌糸マットを作成後,チーズを包み発酵・熟成させることを試みた.ヒラタケSKB019,トキイロヒラタケNBRC31859などの5株を選抜し,菌糸マットで包み2週間熟成させたところ,チーズ表面へ一部菌糸の活着がみられた.さらに市販スライスチーズ上で生育可能なきのこ類8株を再選抜し,チーズの発酵・熟成を試みたところ,コナサナギタケNBRC100743,ツクツクホウシタケNBRC33259,サナギタケNBRC100741においてチーズ表面全体に菌糸が活着していた.製造したきのこチーズの可溶性窒素およびホルモール窒素はツクツクホウシタケ無脂肪乳チーズが最も高く,1.72 g / 100 g,および0.570 g/100 gという値であり,市販のカマンベールチーズやブルーチーズと比較して同等かそれ以上の値であった.
  • 宮崎 和弘, 坂本 裕一, 佐藤 志穂, 宮本 亮平, 彌田 涼子, 石井 秀之, 山内 隆弘, 後藤 史和, 木下 晃彦, 金子 真也, ...
    2024 年 32 巻 01 号 p. 31-40
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2025/04/30
    ジャーナル フリー
    高温でも発生するシイタケ品種を開発する目的で発生温度特性に関わる量的形質遺伝子座(QTL)解析を行なった.高温型(H型)菌株KRCF 1097と低中温型(LM型)菌株KRCF 1101の交配によって得られた菌株MCR 487から得られた単胞子分離株(SSI)およびそれらを低温型菌と交配して得られた92株の二核菌株を用いて,シイタケの子実体誘導における温度を制御する量的形質座(QTL)を解析した.MCR 487から分離されたSSIを用いて構築された遺伝子地図上で,子実体誘導のための温度を制御する4つのQTL(qTF1-4)を同定した.H型のqTF1の特異な配列によって構築されたDNAマーカーを使用することで,より高温で子実体を形成する菌株が選抜された.この研究は,ゲノム配列とQTL解析に基づいて,より高温で子実体を形成するための栽培菌株の育種における親菌株を取得することが可能であることを示す
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