日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
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  • 西野 勝俊, 松原 佳耶, 田中 千尋, 山口 宗義, 藤田 徹, 山田 明義, 平井 伸博
    2018 年 25 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/22
    ジャーナル オープンアクセス
    マツタケTricholoma matsutake シロの先端である活性菌根帯には抗菌物質・シュウ酸アルミニウム錯体が含まれている.今回年間を通じて,同錯体の活性菌根帯とシロ内側および外側の濃度,マツタケ菌体量,抗菌活性およびpH を測定した.その結果,同錯体は活性菌根帯にのみ検出され,その濃度変化はマツタケ菌体量と概ね相関し,抗菌活性とpHとはそれぞれ正および負の相関を示した.10 月のシロ土壌におけるバクテリアの密度と種類および同錯体に対する感受性も調べた結果,バクテリア密度は活性菌根帯が低く,シロ外側次いで内側が高かった.同錯体に対する感受性菌の存在比率は外側が高く,活性菌根帯のバクテリアは全て耐性を示した.このことは,マツタケは同錯体の抗菌作用を利用して土壌中の微生物環境を制御することにより,シロを 維持拡大していることを強く示唆している.
  • 高 琪, 仲野 翔太, 會見 忠則, 霜村 典宏
    2018 年 25 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/22
    ジャーナル オープンアクセス
    ショウロRhizopogon roseolus は,海岸砂地という特殊な環境でマツ科の樹木の根に外生菌根を作り共生する典型的な外生菌根菌である.突然変異と交雑育種方法を用いてショウロの好塩性菌株を育成したことが近年報告された.しかし,土壌における耐塩性を評価した研究例はないのが現状である.本研究では,砂土壌をもいて土壌の中における耐塩性を調査し,さらに,土壌と寒天培地における菌糸成長の相関性を比較分析した.その結果,すべての菌株は砂土壌でよく生育し,土壌表面において多量の菌糸がコロニーを形成した.非塩土壌においての菌糸成長は,寒天培地での菌糸成長と有意な正相関関係を示した.また,100%の海水塩分土壌における菌糸成長も100%海水塩分寒天培地での菌糸成長と正相関関係を示した.これらの結果から,ショウロ菌糸体は寒天培地よりも土壌中の塩に敏感であり,砂土壌はショウロ菌株の耐塩性評価に有用であることが示唆された.
  • 奥田 康仁, 長谷 幸一, 里川 佳武, 小林 勇貴, 大内 功男, 村上 重幸
    2018 年 25 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/22
    ジャーナル オープンアクセス
    近年の輸入食品のリスクの顕在化は食の安全に対する消費者の意識向上につながった.その結果,きのこを取り扱う小売業や外食産業では国内産志向の進展だけでなく,菌床の原材料の産地を含めた生産情報についても開示する傾向にある.エリンギは優秀な食用きのこであるが,栽培に用いる菌床は国外で栽培された原材料に依存している.そこで栄養材として頻繁に用いられる外国産小麦由来フスマの代替となりうる国内産小麦由来栄養材について小麦の精製工程および国内の流通状況を調査した.結果として価格面・供給面で有用な国内産規格外小麦全粒粉をフスマの代替として見出した.エリンギ栽培にこれを用いたところ,フスマを用いた場合と比較して主に有効茎数の増加に伴う増収効果が認められた.
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