日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • Nanthawan KAEONIWONG, 小林 太洋, 早乙女 梢, 一柳 剛, 霜村 典宏, 會見 忠則
    2024 年32 巻03 号 p. 122-127
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2025/10/31
    ジャーナル フリー
    近年,Annulohypoxylon属菌はシロクラゲ栽培のコンパニオン菌としての役割が注目されている.本研究では,Annulohypoxylon truncatumの酵母型から菌糸型への移行誘導能を調べることにより,A. truncatumが日本産シロキクラゲ Tremella yokohamensis の生活環の進行をどのように促進するかを検討した.A. truncatumの培養濾液から,菌糸体を誘導する物質として2-(4-ヒドロキシフェニル)エタノール(別名:チロソール)を同定した.しかし,チロソールは生殖管の形成を開始するものの,持続的な菌糸成長には至らなかった.これらの結果は,A. truncatumが産生する複数の化合物によってT. yokohamensisの菌糸成長が複雑に制御されていることを示唆した.
  • Nico NURDEBYANDARU, 會見 忠則, 霜村 典宏
    2024 年32 巻03 号 p. 128-137
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2025/10/31
    ジャーナル フリー
    ショウロ菌糸体の生育を促進する子実体由来細菌として,Paraburkholderia fungorun GIB024,Caballeronia sordidicola GIB028およびJanthinobacterium agaricidamnosum GIB029が同定されている.本研究では,寒天培地で育成したクロマツにおけるショウロ菌根形成,クロマツ生育量,さらには,マツ葉の黄色化に及ぼす子実体由来細菌の添加効果について調査した.3種の子実体由来細菌は,クロマツにおける菌根形成を促進することが判明した.一方,子実体由来細菌を添加するとクロマツ根の生育量は増大したが,ショウロ菌と共生しているクロマツ根ではその添加効果は認められなかった.一方,クロマツ葉の黄色化率を調査したところ,ショウロ菌を接種すると黄色化率が抑制され,その抑制効果は,GIB028またはGIB029を添加すると強化された.これらの結果から,子実体由来細菌はショウロの菌根形成を促進するヘルパー細菌であること,クロマツ根の生育を促進する効果を有すること,菌根を介してのストレス耐性の増強に関与していることが判明した.
  • 苔庵 泰志
    2024 年32 巻03 号 p. 138-143
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2025/10/31
    ジャーナル フリー
    本研究では,収穫後に劣化の早いササクレヒトヨタケの流通に適した保存法を明らかにするため,収穫後の鮮度の経時的変化を評価した.生子実体の保存中の評価は,破断強度,色(明度:L*)の経時的変化を,レトルト加工時の長期保存(4ヶ月)後の変化は,破断強度を指標とした.収穫直後の生子実体と比較した収穫後の明度の減少割合は,それぞれ10℃MA包装,25℃MA包装,25℃ラップ掛け(MA包装は10日目,ラップ掛けは3日目)保存において3.13 ± 0.08%,10.46 ± 0.08%及び60.39 ± 0.16%(n = 5,平均値±標準誤差)となり,10℃MA保存が優位に優れていた.レトルト加工品での破断強度は,加工直後が10.8 ± 1.18 N(n = 10,平均値±標準誤差)であるのに対して4ヶ月保存後では,10℃包装,30℃包装でそれぞれ12.9 ± 0.64 N,13.2 ± 0.34 Nとなった.従って,レトルト加工品の破断強度の温度に依存した経時変化は,著しい劣化は認められなかった.
  • 明間 民央
    2024 年32 巻03 号 p. 143-148
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2025/10/31
    ジャーナル フリー
    外生菌根菌を接種する単純で容易な方法である胞子ビーズ法について記述する.ショウロの担子胞子をアルギン酸ナトリウム水溶液に分散させて塩化カルシウムによりビーズ状に凝固させ,培土に混和してクロマツのコンテナ苗に添加・接種した.接種材料としては,2014年に採取したショウロの子実体を摩砕した高密度胞子懸濁液をアルギン酸ナトリウム水溶液に加えて,塩化カルシウム溶液に滴下して胞子ビーズとしたものを使用した.コンテナ苗の根鉢表面に接種しコンテナあたりの胞子密度を6 × 104個として育成した1年生クロマツ苗83個体は,5ヶ月後にすべて菌根化した.2015年に播種時に胞子ビーズを混和して直接播種した80本でも同等の結果を得た.これらの方法で作成して津波被災海岸林に植栽したショウロ接種苗の周囲には3ないし4年後にショウロの子実体が発生した.
feedback
Top