日本きのこ学会誌
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きのこ露地栽培地に発生する真性粘菌(変形菌) : マイタケとトンビマイタケの変形菌病
菅原 冬樹
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2007 年 15 巻 1 号 p. 9-16

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抄録

きのこ露地栽培地に発生する真性粘菌の病害実態を調査し,これらの諸性質を明らかにするとともに,防除を目的に本研究を行った.その結果,きのこ露地栽培地で発生する真性粘菌9属18種を確認し,新たにトンビマイタケのマンジュウドロホコリ変形菌病(新称)を発見した.トンビマイタケ子実体表面にマンジュウドロホコリの子実体が形成され,きのこの生育が阻害された.また,真性粘菌が発生するとその個体数が年々増加し,被害が拡大する.マイタケ露地栽培では,イクモジホコリ変形菌病の防除方法は末だ確立されておらず,被害の終息は見られていない.しかし,被害の拡大防止には変形体を早期に発見し,見つけ次第採取し処分することが最も効果的であった.

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2007 日本きのこ学会
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