日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
マツタケシロの抗菌物質・シュウ酸アルミニウム濃度の季節変化とシロの微生物相
西野 勝俊 松原 佳耶田中 千尋山口 宗義藤田 徹山田 明義平井 伸博
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2018 年 25 巻 1 号 p. 9-16

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抄録
マツタケTricholoma matsutake シロの先端である活性菌根帯には抗菌物質・シュウ酸アルミニウム錯体が含まれている.今回年間を通じて,同錯体の活性菌根帯とシロ内側および外側の濃度,マツタケ菌体量,抗菌活性およびpH を測定した.その結果,同錯体は活性菌根帯にのみ検出され,その濃度変化はマツタケ菌体量と概ね相関し,抗菌活性とpHとはそれぞれ正および負の相関を示した.10 月のシロ土壌におけるバクテリアの密度と種類および同錯体に対する感受性も調べた結果,バクテリア密度は活性菌根帯が低く,シロ外側次いで内側が高かった.同錯体に対する感受性菌の存在比率は外側が高く,活性菌根帯のバクテリアは全て耐性を示した.このことは,マツタケは同錯体の抗菌作用を利用して土壌中の微生物環境を制御することにより,シロを 維持拡大していることを強く示唆している.
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2018 日本きのこ学会
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