抄録
マイタケ菌株の地理的起源(原産地)を推定するために,日本原産株と中国原産株のミトコンドリアのcox1のエクソン2とエクソン3の間の領域をPCR法で増幅し塩基配列を比較した.増幅した断片は,中国由来の3株で約3,000 bp,日本由来の9株で約1,800 bp,他の日本由来の3株で約200 bpであった.塩基配列を解析した結果,GIY-YIGヌクレアーゼ遺伝子をコードするユニークなイントロンCが存在するのは中国由来の3株のみであった.LAGLIDADGヌクレアーゼ遺伝子は,中国由来株と日本由来株の1,800 bp増幅産物の両方に存在したが,200 bpの増幅産物にはイントロンは存在しなかった.また,帯線の有無は,ミトコンドリアDNAの遺伝子型とは相関がなく,核にコードされる遺伝子に依存している可能性が考えられた.イントロン2の非コード領域の塩基配列を比較すると,14株中10株は区別できたため,原産地同定の有効なマーカーになる可能性がある.