抄録
Isotropic Periodic Sum (IPS)法は,Ewald法に代わる周期境界条件下の相互作用計算手法として開発された.その基本概念は,周期的な反応場の決定である.本研究では,いくつかの系におけるIPS法の精度を評価し,その応用の可能性を示した.また,IPS法が抱える計算速度上の問題点を解決するために,IPS法と多重極展開法とを組み合わせたIPS/Tree法を開発した.さらに,計算精度上の問題点を解決するために,IPS法の基本概念の拡張を行い,Linear-combination-based IPS (LIPS)法を開発した.