2018 年 20 巻 2 号 p. 119-125
Mori–Zwanzig (MZ) 射影演算子法とiterative Boltzmann inversion (IBI) 法を用いた粗視化モデルの構築手法を紹介する.MZ法に基づく一般化Langevin方程式から,履歴効果を考慮した非マルコフ散逸粒子動力学の運動方程式を定式化する.Lennard–Jones流体を粗視化対象とし,分子動力学シミュレーションから粗視化二体ポテンシャルと記憶核を抽出する方法を説明する.MZ法に基づき二体ポテンシャルと記憶核を抽出し,さらにIBI法によって前者を修正することで,系の静的・動的特性を同時に再現できることを示す.