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創薬における機械学習と分子シミュレーション:生体での膜透過現象
真下 忠彰中村 寛則若林 良徳黒澤 隆福西 快文
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2019 年 21 巻 2 号 p. 103-114

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抄録

創薬の分野では,機械学習と分子シミュレーションを併用する場合が多い.現象の理解は,高精度の予測ではない.創薬での分子設計では,新規な分子構造の提案が目的だが,分子量500Da 以下で実現できる分子の可能性は1060 種類とも言われ,無作為な試行錯誤は効率が悪く,分子設計指針を示すことが大事な場面多い.また,生物のもつ高度な複雑さから数理モデルの構築が困難で,ブラックボックスになりやすく,かつ実験は困難で再現性の低い少数のデータしかない場合も多い.そのため,できるだけメカニズムに基づく回帰モデルを構成し,要素の重みを見積もって理解と予測を同時に行うのが古典的アプローチである.つまり,現象を写真にとってきたように精密に再現することにこだわるのではなく,似顔絵のようにデータの低次元化を図ることで,現象とその原因の主だった特徴を抽出するのが大事である.例として複数分子の集合体による膜透過現象における分子シミュレーションと古典的な機械学習の組み合わせ手法について解説する.

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© 2019 分子シミュレーション学会
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