アンサンブル
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21 巻, 2 号
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特集
連載
  • 三上 益弘
    2019 年 21 巻 2 号 p. 138-143
    発行日: 2019/04/30
    公開日: 2020/04/30
    ジャーナル フリー

    モンテカルロ法(以下,MC ) は,分子動力学法とともに,統計力学の数値解法である.モンテカルロ法は,統計力学の物理量の期待値の公式を,ボルツマン分布を実現する乱数を用いた数値積分により求める方法であり,分子動力学法に比べてより直接的に統計力学と結びついている.前回は,等圧等温アンサンブル,グランドカノニカルアンサンブル,ギブスアンサンブルのMC 法について説明した.今回は,分子系のMC 法である配置バイアスMC 法,非ボルツマン統計のレプリカ交換MC 法などについて,その基礎とその計算方法について説明する.

最近の研究から
博士論文紹介
  • 住谷 陽輔
    2019 年 21 巻 2 号 p. 151-156
    発行日: 2019/04/30
    公開日: 2020/04/30
    ジャーナル フリー

    本稿では,博士論文「化学反応素過程の複雑ネットワークに対する速度解析」について紹介する.近年開発が進められている反応経路自動探索法では,膨大な数の安定構造及び素過程から成る反応経路ネットワークを得ることができる.反応経路ネットワークに基づいて化学反応の反応性を議論するためには,反応速度論に基づく理論開発が必要である.そこで本研究では,速度定数行列を縮約し多段階で進行する反応のオーバーオールの速度定数を求める速度定数行列縮約法を開発した.前半では,この理論と応用について示した.後半では,同手法を反応経路自動探索にも応用することで,探索を効率化できることを示した

  • 野澤 拓磨
    2019 年 21 巻 2 号 p. 157-162
    発行日: 2019/04/30
    公開日: 2020/04/30
    ジャーナル フリー

    近年の分子動力学シミュレーションの発展により,様々な物質の詳細な核生成過程が明らかになりつつある.その工学的な重要性から水や金属などの研究が盛んに行われているが,液晶のような1 軸性の異方性分子の核生成過程は未だ謎に包まれている.本研究では大規模な分子動力学シミュレーションを行うことによって,液晶分子の詳細な核生成及び成長過程の解析を行った.その結果,液晶分子の核生成は非常に高い配向状態から始まり,一度分子配向が乱れた状態を経た後にネマチックな液滴へと成長することが明らかになった.

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