アンサンブル
Online ISSN : 1884-5088
Print ISSN : 1884-6750
ISSN-L : 1884-6750
特集
計算創薬におけるシミュレーション・機械学習・実験の融合に向けて
德久 淳師寺山 慧奥野 恭史
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 21 巻 2 号 p. 115-125

詳細
抄録

動的で多様な構造状態をもつ生体高分子を対象とする創薬において,計算科学の役割は重要性を増している.我々が取り組む計算創薬においては,例えば分子動力学計算を介して薬剤ポケットの予測や薬剤親和性の評価を行うことを目的とするが,精度の高い予測を行うには,信頼性のある初期構造モデルや高精度力場の構築に加え,シミュレーションの大規模・長時間化・高頻度化が必要となり人的あるいは計算コストの高騰が問題となっている.コスト高を引き起こしている要因の一部は探索問題や最適化問題として捉えることができ,機械学習により計算精度を保ちながら高速化を行うことができる.本稿では,計算創薬における精度とコストの調和を目指し開発を進めている,シミュレーション・機械学習・実験が三位一体となった手法を報告する

著者関連情報
© 2019 分子シミュレーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top