アンサンブル
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有機化学者が計算化学者に助けてもらってリガンド-受容体間ドッキングシミュレーションによる分子設計に成功するまで
上田 実高岡 洋輔齋藤 大明
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2019 年 21 巻 3 号 p. 196-203

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抄録

本稿では,植物ホルモン受容体のサブタイプ選択的リガンド開発を目的に[1],有機化学と計算化学の研究者が共同研究を行った過程を当時の電子メールでのやり取りをもとにカットバック形式で振り返る.分子ドッキングやMD 計算データを元にしたCOI1/JAZ 共受容体に対する新規リガンドの分子設計,そして設計したリガンド分子のアッセイ評価と結合構造予測の比較から論文投稿に至るまでの過程を記す.実験と分子シミュレーションの共同研究は,お互いのバックグラウンドの違いから結果の解釈に対する齟齬や不一致が生じやすい.しかし時間をかけた丁寧な議論により,互いの理解が補完され,研究を前進・発展させることができると確信する.

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© 2019 分子シミュレーション学会
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